神の怒りに触れた時、人々は人知を超えた試練によって試される――
瀬戸内の小島・祈背島(いのせじま)。
この島には、白蛇を多産の神 “コウミガミ” として奉る 巳重神社(みかさじんじゃ)があり、
宮司を務める神蛇家は、その蛇神の望みとして言い伝えられている “兄妹婚” を代々慣わしとしていた。
破れば下るという、蛇の罰を恐れて――
現在、宮司を務めるのは 神蛇丞(かんだ たすく)。
先代である父が流行病でこの世を去ってすぐ跡を継いだものの、父を亡くしたことで精神を病んだ母・鏡佳 の世話に
妹の 玲 とふたり、頭を悩ませていた。
そんなある日、学者を名乗る 柳本国定 が神社を訪ねてくる。
彼は民間伝承を研究しており、巳重神社の奉神にまつわる伝承について調べに来たのだった。
丞は、父が実は蛇の罰を受けたことで命を落としたという噂が巷で広まっていることからそれらの伝承を疎ましく思っており、柳本をつい追い返してしまう。
同日、鏡佳の妹であり丞の初恋の人・九鬼零佳 も現れ、泊まり込みで家事を手伝いたいと申し出てくるが、突然のことに丞は零佳を不信に思う。
まさか宮司が代替わりした隙をついて、この神社を乗っ取る気ではないのかと……
玲の頼みもあり受け入れることになるが、不信感は晴れぬままだった。
そんな彼らを、一匹の白蛇が見つめる。
それは血のように赤い瞳を妖しげに煌かせて、この世ならざる者の雰囲気を纏っていた。
「……再度創め、終わらせようぞ……」
地を這いずるようなその冥い声は、彼らの日常の終焉と共に、すぐ傍まで迫っていた――
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神蛇 丞 (かんだ たすく) CV:古河徹人
- 神蛇家の長男、玲の兄。亡くなった父親に代わり「巳重神社」の宮司を務める。
神社の跡継ぎとして育てられ、一般社会と隔絶された生活を送ってきた為、内に篭りがちで思い詰めやすい性格をしている。
幼い頃に零佳に淡い恋心を抱いていた時期もあったが、母親・鏡佳の言動から女性に不信感を持つようになり、
今では零佳や妹の玲に対しても一線を引いてしまう。
それもあってか、伝承の話題についてもあまり触れようとしない。
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神蛇 玲 (かんだ あきら/れい) CV:赤井リア
- 神蛇家の長女、丞の妹。
性格は元気で明るい一方、物事を深く考えすぎて暗くなってしまう事がある。
丞に密かに想いを寄せており、幼い頃にも島の伝承にならって兄の丞と結婚する事を望んでいたが、
話題を避ける丞と不機嫌になる母親・鏡佳の影響で、いつしか男装をして妹であることを隠すようになった。
名前も本来の読み方は“れい”であるが、“あきら”と名乗り周囲にもそう呼ばせている。
家事をしない鏡佳に代わり家事全般を行っている。
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神蛇 鏡佳 (かんだ きょうか) CV:榛名れん
- 丞と玲の母親であり、零佳の姉。
陰険で体裁ばかりを取り繕おうとする、底意地の悪い女性。
また、実家である九鬼家が、島の実権を握りたいが為に無理矢理に鏡佳を神蛇家へと嫁がせたという過去があり、
その苛立ちから娘の玲や妹の零佳に強く当たる。丞に対しても、跡取り以上の感情は持ち合わせていない。
母親でありながら家事は一切せず、今は夫の子ではない子どもを妊娠している。
丞と玲が母、そして女性に恐怖と嫌悪を持つきっかけとなる。
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九鬼 零佳 (くおに れいか) CV:二階堂ちか
- 丞の母親・鏡佳の妹であり、丞の幼い頃の想い人。
九鬼家は元々、祈背島の外からやってきた一族だが、
今では麓の集落を纏める庄屋であり、零佳は末娘にあたる。
明るく穏やかな性格をしているが、ここぞという時は筋を通そうとする強い女性で、
我儘な姉に振り回され、○○を振るわれる事もあるが大丈夫だからと笑みを絶やさない。
父親が亡くなって鏡佳と共に取り残された丞や玲を心配し、泊まり込みで手伝いをしようと神社を訪れる。
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柳本 国定 (やなぎもと くにさだ) CV:越雪光
- 関東で民間伝承を研究している中年の学者。
白蛇信仰を調査するために神社を訪れ、丞や玲に島の伝承などについて尋ねるものの、
不審に思われ追い返されてしまう。
いかにも学者らしく、物事の善悪よりも研究を優先してしまうきらいがある。
また、いつも飄々としており腹の底で何を考えているのか分からない。
話の端々から、この島には初めて来たという訳ではなさそうだが……。
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コウミガミ CV:澤乃都留
- 祈背島の伝承に出てくる蛇神で、巳重神社にて多産の神として奉られている。
伝承によれば、コウミガミの望みである「兄妹婚」が成されなければ恐ろしい罰が下るといわれているが……。
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