[030218]「ハンドメイドマイ」 1号[21068]

　幼少の頃から映画監督になることが夢だった小津は、幼馴染みの黒沢麻衣を8年間に渡りカメラに収め、麻衣のドキュメンタリー映画『麦わら帽子の物語』を企画していた。そんなある日、黒沢麻衣から「小津君が撮影した私のビデオが見たいの」という電話が入る。約束のホテルへ行くと、そこには麻衣が所属する芸能プロダクションの社長が同席していた。映画デビューが近い麻衣にとって、小津のテープは、ゴシップのネタになりかねない。一千万で買い取るかわりに二度と黒沢麻衣には付きまとわないでくれと言われる。失意の色を隠せない小津は、小切手を叩き付け、ホテルを後にする。その日の夜、帰宅した小津が部屋に戻ると女の子が出迎えていた。それは未来のサイバーダイン社から送りこまれた黒沢麻衣がモデルの新型サイバドール「マイ」「アイ」「ミイ」。未来の依頼主より小津の映画作りを手助けをするように指示されて来たのだ。時を同じくして黒沢麻衣主演映画の製作発表が行なわれていた。その内容は、小津が企画した『麦わら帽子の物語』の内容と瓜二つのドキュメンタリーであった。しかもタイトルは『ストロー・ハット・ストリー』。日本を代表する勅使河原監督がメガフォンを握る。麻衣の陰謀の全てを知った小津は、アイ・マイ・ミイの3体を使い、勅使河原監督よりクオリティの高い映画『麦わら帽子の物語』を作る事を決意する。果たして小津は映画を完成させる事が出来るのか？そして黒沢麻衣への恋の行方は？